1.外国人採用の3つの方法
外国人採用には、以下の3つの方法があります。
在留資格「技能実習」として雇用
1つ目は、在留資格「技能実習」として雇用することです。「技能実習」は、日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、その地域の経済発展を目的とした制度で、現地の外国人に対して募集、採用を行います。
基本的に日本国内の「団体監理型組合」と契約を結び、その組合が指揮を執る形で、現地での募集、採用、トレーニング、入国、雇用受入れを行います。
在留資格「特定技能」として雇用
2つ目は、在留資格「特定技能」として雇用することです。「特定技能」は、人手不足が深刻な分野において、一定の専門性や技能を持つ外国人の受入れを目的とした制度で、現地の外国人や日本国内で既に「特定技能」として就労している外国人に対して募集、採用を行います。
基本的に人材紹介会社や「登録支援機関」への紹介依頼や自社で求人広告を出すことで募集を行います。
なお、現在「技能実習」である外国人が良好に3年間修了し技能試験に合格することで「特定技能」への移行が可能です。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」として雇用
最後に挙げるのは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」として雇用することです。「技術・人文知識・国際業務」は「技人国」と略されることがあり、主に大学等で学んだ体系的な学術知識や高度で専門性や国際知識を要する業務で就労が可能となっており、現場での単純作業ができないことが注意点として挙げられます。
基本的に人材紹介会社や自社で求人広告を出すなどして募集を行います。
2.メリット、デメリット
以上の制度のそれぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。

それぞれメリットとデメリットがあります。
「技能実習」の最大のメリットは、原則3年間は転職がなく、じっくりと育成を行うことができる点です。反面、基本的に一から業務を教えることになるため、戦力になるまで時間を要する点があります。
「特定技能」の最大のメリットは、人材不足へ即対応することが可能という点です。雇用人数の制限がなく、また、即戦力が期待できる点が大きいです。反面、転職は自由であるため、有利な条件の会社にすぐに転職されてしまう可能性があります。
「技術・人文知識・国際」の最大のメリットは、国際プロジェクトに寄与することが可能で、企業のグローバル推進を推し進めることができる点にあります。反面、転職されやすい点や基本的に単純労働をさせることができない点があります。
3.各々の該当職種
各々の該当職種は以下の通りです。
技能実習
技能実習の職種・作業は、令和7年3月7日現在、91職種168作業あります。以下が、その一覧です。

厚生労働省HP「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧」参照(https://www.mhlw.go.jp/content/001165663.pdf)
特定技能
特定技能は以下の16分野(3分野追加予定)になります。今後人材不足の分野が増えると、対象分野も増えていくことが予想されます。

技術・人文知識・国際業務
「技術・人文知識・国際業務」は、それぞれ分野が決められています。単に「技術」「人文知識」「国際業務」に分かれているだけで、職種は多岐に渡ります。
具体的な職種を以下列挙します。

いかがでしょうか。まず、外国人採用を行うには、どの在留資格の外国人を雇用するかを選ぶことから始めることになります。
どの在留資格の外国人を雇用するかでアプローチする方法が変わります。職種一覧も加味しながら、自社に合う外国人採用を検討してみてください。