1. はじめに
自動車の維持にはさまざまな税金が関わってきます。その中でも「自動車重量税」は、車両の重量や経過年数によって税額が変動するため、正確な理解が必要です。
本記事では、自動車重量税の概要や計算方法、税額の変動要因、さらにはエコカー減税などの優遇措置について、最新の公的資料を基にわかりやすく解説します。
2. 自動車重量税とは?
2.1 概要と趣旨
自動車重量税は、車両の重量に応じて課される国税であり、道路の整備や維持管理の財源として活用されています。
この税金は、新車登録時や車検時に支払う必要があり、車両の重量や経過年数、環境性能によって税額が変動します。
2.2 沿革
自動車重量税は、道路整備の財源確保を目的として導入されました。
その後、環境問題への対応として、燃費性能や排出ガス性能に優れた車両に対する減税措置(エコカー減税)が導入され、さらに、古い車両に対しては税額が増加する重課制度が設けられました。
2.3 重量税の計算式
自動車重量税は、以下の要素によって計算されます。
• 車両の重量
• 新車登録からの経過年数
• エコカー減税の適用有無
以下の表は、普通自動車(自家用)の重量税額を示しています(2024年8月時点)。
車両重量 | 新車登録~12年 | 13~17年 | 18年以上 |
---|---|---|---|
~0.5トン | 4,100円 | 5,700円 | 6,300円 |
~1.0トン | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1.5トン | 12,300円 | 17,100円 | 18,900円 |
~2.0トン | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~2.5トン | 20,500円 | 28,500円 | 31,500円 |
~3.0トン | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
3.1 納税のタイミング
自動車重量税は、以下のタイミングで納付が必要です。
• 新車登録時:新車を購入した際に初回の自動車重量税を納付します。
• 継続検査(車検)時:初回登録から3年後、その後は2年ごとに車検時に納付します。
納付方法は、車検を依頼する業者が代行する場合と、ユーザー自身が運輸支局で手続きする場合があります。
3.2 エコカー減税とその影響
環境性能に優れた車両には、エコカー減税が適用され、自動車重量税が軽減または免除されます。以下の表は、2023年5月1日から適用されているエコカー減税の内容を示しています。
減税率 | 対象車種 |
---|---|
100%(免税) | 電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車、ガソリン車(令和12年度燃費基準120%達成) |
50%軽減 | ガソリン車(令和12年度燃費基準90%達成) |
25%軽減 | ガソリン車(令和12年度燃費基準75%達成) |
3.3 重課制度の概要
自動車重量税には、車両の経過年数に応じて税額が増加する重課制度があります。
以下の表は、普通自動車(自家用)の重量税額の変化を示しています。
車両重量 | 新車登録~12年 | 13~17年 | 18年以上 |
---|---|---|---|
~0.5トン | 4,100円 | 5,700円 | 6,300円 |
~1.0トン | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1.5トン | 12,300円 | 17,100円 | 18,900円 |
~2.0トン | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
~2.5トン | 20,500円 | 28,500円 | 31,500円 |
~3.0トン | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
3.4 軽自動車の重量税
軽自動車の場合、車両重量に関係なく一律の税額が適用されます。以下の表は、軽自動車の重量税額を示しています。
経過年数 | 税額 |
---|---|
新車登録~12年 | 6,600円 |
13~17年 | 8,200円 |
18年以上 | 8,800円 |
4. 次回自動車重量税額照会サービスの活用方法
自動車整備業を営む中小企業の経営者の皆様にとって、車検時の自動車重量税額を正確に把握することは、業務の効率化や顧客サービスの向上につながります。
国土交通省が提供する「次回自動車重量税額照会サービス」を活用することで、車両ごとの税額を簡単に確認できます。
4.1 サービスの概要
「次回自動車重量税額照会サービス」は、次回の車検(継続検査等)時に必要となる自動車重量税の税額を照会できるオンラインサービスです。
車台番号と検査予定日を入力することで、検査予定日時点の自動車重量税額を確認できます。このサービスは、登録車および軽自動車の両方に対応しています。
4.2 利用手順
以下に、サービスの利用手順を示します。
- 「次回自動車重量税額照会サービス」のウェブサイトにアクセスします。
- 「照会画面へ」ボタンをクリックします。
- 車台番号を入力します。
- 自動車検査証等に記載されている車台番号の全桁を入力してください。
- 車台番号に漢字が含まれる場合は、該当する漢字を選択し、残りの部分を入力してください。
- 検査予定日を入力します(任意)。
- 運輸支局等で継続検査等の手続きを行う予定日を入力します。
- 「照会」ボタンをクリックします。
照会結果として、次回の自動車重量税額が表示されます。
4.3 利用可能時間
サービスの利用可能時間は以下の通りです。
車種 | 利用可能時間 |
---|---|
登録車 | 1:00~23:00 |
軽自動車 | 8:00~23:00 |
※年末年始やシステムメンテナンス時を除き、毎日利用可能です。
4.4 活用のメリット
このサービスを活用することで、以下のようなメリットがあります。
- 車検時の自動車重量税額を事前に把握できるため、顧客への正確な見積もりが可能になります。
- エコカー減税や重課制度の適用状況を確認でき、適切なアドバイスが行えます。
- 業務の効率化や顧客満足度の向上につながります。
5. まとめ
自動車整備業を営む中小企業の経営者の皆様にとって、自動車重量税の正確な理解と適切な対応は、業務の効率化や顧客満足度の向上に直結します。
本記事で紹介した情報を参考に、今後の業務運営にお役立てください。

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