インドネシア人の技能実習生(研修生)を上手に雇う方法

インドネシア人の技能実習生(研修生)を受け入れて、約30年が経とうとしています。

近年、インドネシア人の技能実習生が急増しています。下のグラフをご覧ください。

技能実習生計画書認定件数(インドネシア)平成29年~令和5年

平成29年にはわずか5,495件の技能実習の認定件数でしたが、その後令和3年頃から急増し、令和5年には約14倍の74,879件まで増えています。

また、今年の9月には、インドネシアのイダ・ファウジヤ労相が今後5年で従来の1.5倍となる25万人の労働者を日本へ送り出す目標を明らかにしました(日本経済新聞令和5年9月15日「インドネシア人材「5年で25万人来日」 労相が目標拡大」)。

今後、インドネシア人の技能実習生はますます増えるでしょう。ただ、インドネシア人の技能実習生とどのように接すれば良いのか不安に考えている経営者の方は多いと思います。

そこで、本記事では、インドネシア人の技能実習生と上手に付き合い、雇用していく方法を解説します。

本記事を読めば、インドネシア人に対する理解が深まり、上手に雇用することができるでしょう。

1.技能実習生と上手に付き合うには

技能実習生と上手に付き合うには、まず相手を理解することが重要となります。仕事への取り組み方や日本に適応しやすいかどうか、労働観や文化の違いを知る必要があります。

ここで重要なことはむやみやたらに特別扱いしないことです。相手を理解した上で日本人と同じように接し、扱うことが大事です。実は、この点は日本人相手と変わりません。

日本人を採用し雇用する場合でも、その人の仕事の取り組み方や職場に適応しやすいかや価値観について確認して接することがあるでしょう。そのことと同じです。

関係の質から高めて、思考、行動、結果の質を高めていくことが非常に大事です。技能実習生と上手に付き合っている企業や組合は、この点を重視しています。つまり、本人との定期的な面談やお食事会、イベント開催などさまざまな場面を用意して関係の質を高めているのです。

そこで、ここでは相手理解の材料として、インドネシア人の仕事の取り組み、日本への適応度合い、そしてインドネシア人の労働観について解説したいと思います。

2.インドネシア人の仕事への取組み

インドネシア人の仕事への取り組みはどうでしょうか。インドネシアの特徴として、95%がイスラム教徒、島国で約600もの民族がいる多民族国家であるという特徴があります。

そのような特徴から、インドネシア人は主に以下の3つの特性を兼ね備えていると言えます。

インドネシア人技能実習生(研修生)の3つの特性

 (1) 協調性

インドネシアは島国でかつ多民族国家という国柄です。年中温暖な気候も影響してか、温和で陽気な人が多い印象です。

そして、他の民族を受け入れざるを得ないという環境から、基本的に協調性を重視する傾向があります。

また、インドネシアには「ゴトンロヨン」という相互扶助を意味する言葉があります。この助け合いの精神が、チームワークを必要とする場面で発揮されます。ですので、チームで物事を成し遂げることを厭わず、組織の中で力を発揮する人が多いです。

 (2) 勤勉さ

イスラム教の教えで、与えられた仕事を最後までやり切ることが大事だというものがあります。敬虔なイスラム教徒は特に、仕事に対して責任感が強く、勤勉な態度をとる傾向にあります。

真面目な人も多く、前向きに新しいことを覚えようとする姿勢は非常に素晴らしいものがあります。

 (3) 手先が器用

インドネシア人は手先が器用で、細かい作業にも柔軟に対応できる特性があります。自動車整備の作業はもちろん、細かな作業で力を発揮する傾向にあります。

以上のように、インドネシア人は、その特性を生かし、企業において様々な場面でその力を発揮しています。

3.インドネシア人の日本への適応度合い

結論としてインドネシア人は日本への適応度は高いと言えます。

600以上の民族を有する多民族国家であることから、そもそもの他民族に対する適応度が高いです。また、インドネシア人のほとんどが日本のアニメである「ドラえもん」や「ナルト」などを知っており、日本を身近に考えているインドネシア人はとても多いです。

さらに、インドネシア人の日本食に対する抵抗はほとんどないケースが多いです。というのも、インドネシア国内にはかっぱ寿司、丸亀製麺、吉野家などの日本食チェーン店が多く存在しており、人気を博している状況だからです。

なお、以下のグラフはインドネシアの日本食レストランの店舗数の推移です。近年増加し続けている傾向が分かります。

インドネシアの日本食レストラン店舗数(2021年~2023年)

(「農林水産省 輸出・国際局 海外における日本食レストランの国・地域別概数」参照」

さらに、インドネシア人の技能実習生の失踪割合は非常に低い1%の水準で推移しています。ベトナム人と比較すると、わずかその3分の1以下に留まります。

ベトナム、カンボジア、インドネシアの各国の技能実習生の失踪率(令和1年~令和5年)

(「出入国在留管理局庁HP」参照)

このことからも、インドネシア人技能実習生の日本への適応度は高いものと言えます。

4.インドネシア人の日本語習熟度

それでは、インドネシア人の日本語の習熟度はどうでしょうか。インドネシアにおける日本語教育の基盤は東南アジアでも随一です。

以下の表をご覧ください。機関数は東南アジアでは圧倒的な数を誇っています。学習者の711,732人に至っては世界第2位の数値になっています。そもそも人口が多いという点はありますが、日本語に対する関心の高さが分かります。

2021年度海外日本語教育機関調査(東南アジア)

‘(国際交流基金「2021年度海外日本語教育機関調査」参照)

また、高校では、第2外国語として日本語を選択できるなどの教育課程が組まれています。

その身近さから、他の東南アジア諸国に比べて日本語の習得スピードは早いと言われています。

通常、採用決定後に送出し機関で日本語教育を行いますが、定期的に本人たちとオンライン面談などを行い、日本語の習熟度を確かめることをおススメします。

その面談では、簡単な質問から段階的に行い、受け答えの様子を確認しながら、日本語習熟度の進捗状況を確認することが有効です。

5.インドネシア人の労働観

それでは、インドネシア人の労働観はどうでしょうか。

インドネシア人の平均月収、平均貯蓄、労働法制

 (1) 平均月収

インドネシア人の平均月収は30,000円ほどです。ただし、近年の経済的発展と円安の影響から、年々この金額は上昇しています。

 (2) 平均貯蓄

平均貯蓄は3,500円程で、インドネシア人は貯金する習慣がありません。銀行を保有している人が50%程と少ないことも貯蓄の低さを表しています。

日本で3年間働けば、100万円以上の貯蓄が可能です。300万円を貯めることができれば、そのお金で家や家畜を買うことも可能です。

 (3) 労働法制

インドネシアの労働法制は労働者に非常に有利な制度になっています。日本も労働者に有利な制度になっており、解雇に正当事由が必要な点等はとても似ています。

ただ、インドネシアには希望退職による解雇金や退職金の支払いが義務付けられており、その点は日本の労働基本法と大きく異なります。

以下に日本制度との比較を一覧にした表を作成しました。

日本とインドネシア労働法制の比較一覧

(パーソル総合研究所「インドネシア労働法制」参照)

日本の制度と大きな違いは見られませんが、解雇金や退職金が義務化されていることから、インドネシアの方が日本より労働者が保護されている制度であると言えます。

ただし、賃金と賞与の考え方は異なります。インドネシアでは、仕事の大きさで賃金が決まります。日本のような年功的な考え方はありません。また、インドネシアには基本的に賞与という考え方はありません。

この賃金の考え方は、日本がむしろ特殊であると考えた方が良いです。いわゆるメンバーシップ型と言われるこの制度は、整理解雇の要件の違いに良く表れています。

日本の場合は、会社の一員(メンバーシップ)なので本当にその人を辞めさせなければいけないのか、事務職や他の仕事はできないのか検討しなさいという要件が付されているのですが、インドネシアの場合にはそのような要件はありません。

そういった点から労働観の考え方は根本的に異なっているものと言えるでしょう。

6.インドネシア人と接するときの留意点

最後にインドネシア人と接するときの留意点について解説します。

インドネシア人技能実習生と接するときの留意点

 (1) プライドへの配慮

インドネシア人はプライドが高く、大勢の前で叱られると侮辱的だと感じる人が多いです。人前で叱ることは避け、1対1で指摘するように心がけましょう。

 (2) 接触への注意

日本人同士では良くある「なにしてるんだ」と小突く行為は辞めましょう。安易に接触することで侮辱的な扱いをされたと感じることがあります。

 (3) 宗教への配慮

宗教への配慮として大きなものは、礼拝時間の配慮と飲食物への配慮、その他禁止事項への配慮です。

イスラム教徒は1日に5回礼拝の時間があります。たとえ勤務時間中であっても礼拝の時間が来たら仕事を中断してお祈りを行います。

ですので、何時から礼拝を行うか事前に確認してタイムスケジュールを組む必要があります。

また、禁止された飲食物として代表的なものとして豚肉とアルコール飲料があります。特に豚肉は思わぬところで豚肉エキスが入っていたり乳化剤の中に豚肉が使用されていたりというケースがあるので気を付けましょう。

その他歓迎会でアルコールを勧めたりすることは避けましょう。

また、ラマダン(断食)へ配慮することも大事です。特に脱水症状に気をつけて無理をさせずに接しましょう。

最後にその他の禁止事項として身体的接触があります。左手で握手をすること、異性との接触や頭を触る行為は避けましょう。

特に禁止事項については、本人とよく話し合い、事前に確認しておくことが重要です。

7.まとめ

インドネシア人を上手に雇っている企業の方には、ある共通点があります。それは、インドネシア人のバックグラウンドや価値観を理解した上で、日本人と同じように接しているという点です。

本記事で解説した相手理解や留意点の把握は関係の質を高めるうえでの大前提です。ただし、この大前提を守れない、もしくはおろそかにしていしまっている事業者の方がトラブルを抱えていることも事実です。

この大前提を地道に守り、相互理解を深めていくことが関係構築の王道です。今後間違いなく増加するインドネシア人の技能実習生。

是非この記事を参考に、上手にインドネシア人の技能実習生と接して頂けたらと思います。

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