1.はじめに
2024年3月29日、政府は「特定技能」外国人の受け入れ枠の上限数や分野の追加について閣議決定しました。2029年までに上限をこれまでの2倍超となる82万人に設定し、新たに自動車運送業と鉄道など4分野を追加しました。
今、労働者の人手不足が社会問題化しています。「特定技能」はこの対策に欠かせません。
そんな「特定技能」外国人ですが、原則として転職が自由となっていることから、条件や職場環境が合わなければすぐに転職してしまうケースもあります。
そこで、本記事では、「特定技能」外国人の転職について、手続き方法やその事情について解説したいと思います。
2.特定技能制度とは
特定技能制度は、2019年に導入された在留資格で、日本の人手不足を補う目的で外国人労働者を受け入れるための新しい枠組みです。この資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つがあります。

特定技能は、企業側にとっては労働力の確保ができる重要な仕組みであり、外国人にとっては日本で働くチャンスを提供する制度となっています。
3.「特定技能」外国人の転職手続き

特定技能を持つ外国人が転職を希望する場合、原則として自由と述べましたが、一点制約があります。それは、同一の業務区分内、もしくは技能水準の共通性が確認されている業務区分間であることです。
特定の分野の職種に対するビザなのでこの点は当然ですが、この制約に悩む特定技能外国人がいることも確かです。企業がその分野の特定技能外国人を受け入れることができるか確認することが重要です。
そして、重要なこととして、この手続きが完了するのに30~60日ほどかかり、その期間は無給になってしまうということがあります。このことを知らずに転職をしてしまう方が多いことも実情としてあります。
それでは、転職する場合に重視する項目としては何があるでしょうか。
4.転職する場合に重視する項目
転職する場合に特に重視するポイントは以下の通りです。

(「株式会社マイナビグローバル調べ」)
やはり一番重視されているのは賃金です。この点は日本人よりややシビアで、仕事に対する正当な報酬か否かという点が問われます。損したくないという気持ちが働き、同じような仕事であれば、より高い賃金を求めて転職するケースが多いです。
また、最近では勤務地(エリア)を重視する傾向があります。地方より都会の方が住みやすく賃金が高いことが知られるようになり、都心に集中しやすくなっています。
職種の違いも転職の際に重視されることがあります。特に同じ労力なのに賃金が良いとなると、その職種に人気が集中する傾向にあります。
特に日本でコミュニティを持つベトナム人は、この賃金やエリアなどの情報に敏感です。良い条件を求め、表面的な情報に惑わされて転職してしまうケースが後を絶ちません。現在、インドネシア人など他の外国人はベトナム人ほどのコミュニティを築けていないため、このような動きは少ないですが、今後同じような状況に陥る可能性は十分にありあります。
5.労働環境の問題
一方で労働環境の問題もあります。労働条件もそうですが、より重要視すべきは、差別感の有無です。
良くあるケースとして、日本人と外国人とを区別して扱ってしまい、それが差別的に扱われていると受け止められてしまうことがあります。特に無意識に特別扱いすることが、知らず知らずのうちに外国人の自尊心を傷つけてしまうことがあるので要注意です。
差別的に扱われていると感じた特定技能外国人は、そのほとんどが定着せず転職してしまいます。
そもそも、日本人でも同じ環境や労務の内容であれば、より良い条件の職場への転職を検討するでしょう。また、何か差別的に扱われていると感じれば、その職場に居続けることが苦痛となり、これも転職を考える契機となるでしょう。
ここで大事なことは、日本人も外国人も同じように扱うべきだということで、特別扱いしてはいけないということです。
この点は、技能実習生の外国人の扱いについても通じるところがあります。
6.まとめ
労働力不足を補う形で特定技能外国人を雇うケースは増えてきています。特に政府の方針で受け入れの体制を整えており、今後この特定技能外国人が増加することは間違いありません。
今後は、この特定技能外国人をどのように定着させ、キャリアパスを描き、会社の戦力にしていくかが人材戦略上、非常に重要だと感じています。文化理解もそうですが、まずは日本人と外国人は異なるという固定概念を取り払うことが重要なのではないかと思います。

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