1.はじめに
高齢少子化、労働力不足は日本だけではない先進国の共通課題であり、どこの国も外国人労働者の採用を重要視しています。
この外国人労働者の獲得競争に勝てなければ、そもそも海外の人材を頼ることができないという状況が生じます。これはつまり、外国人人材に頼れば日本の労働力不足が解決するという一つの前提が崩れることにもつながります。
ですから、外国人採用について、海外の動向を知ることは非常に重要です。本記事では、主な供給国であるベトナム、インドネシア、フィリピンに注目して海外の動向について解説します。
2.ベトナム
(1) ベトナム人労働者の特徴
ベトナムは人口が約1億人と多く、比較的若い世代が多いことから、労働市場において魅力的な人財が豊富です。また、教育水準が高く、技術的なスキルを持つ人材も増えています。
特にITやエンジニアリング分野での技術者が注目されており、プログラミングやソフトウェア開発などの分野での需要が高まっています。
(2) 国別就業先一覧
就業先のトップは長年日本となっています。続いて台湾、韓国と続いています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「技能実習制度適正化に向けた調査研究事業報告書 概要版」参照
(3) 近年の状況
近年、この日本の割合が徐々に減り、韓国の割合が増えている状況です。というのも、韓国が急速な少子化と地方の過疎化への対策として外国人拡大施策をとるようになったからです。
人口減少地域に5年以上働けば地域特化型ビザを発給したり、5年以上働くと永住権申請を行えるようになるなどの施策や、高い賃金を武器に割合を増やしている状況です。
以下は、ベトナム人の日本での就労意欲を表した表です。2022年には98%あった就労意欲が85.9%までに下がっています。

(「株式会社マイナビグローバル調べ」)
そして、この日本で働きたくない理由として日本の円安の影響が大きいことが分かりました。また、ベトナム人独自のコミュニティから得られる情報で、働く環境が悪いなどというネガティブな情報も広まっていることも原因としてあるようです。

(「株式会社マイナビグローバル調べ」)
3.インドネシア
(1) インドネシア人労働者の特長
インドネシアも、人口が2億7千万人以上と非常に多く、特に若年層が多いのが特徴です。
また、インドネシアはイスラム教が主流ですが、多文化社会であるため、他国での生活にも柔軟に適応することができます。インドネシア人労働者は特に製造業や建設業での技が評価されており、勤勉であるという評価もあります。
(2) 国別就業先
主な就業先は香港や台湾、マレーシアになります。日本はわずか3%であり、まだまだ就業先としては少ない状況です。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「技能実習制度適正化に向けた調査研究事業報告書 概要版」参照
(3) 近年の状況
インドネシアは日本にて急拡大の傾向にあります。これは、インドネシア政府による日本への労働者派遣拡大の方針を発表したことが影響していると思われます。
具体的には、労働者派遣目標を10万人から25万人に大幅拡大する計画を発表しました。
以下が技能実習生計画書の認定件数です。

(「OTIT HP」参照)
上記を見ても分かる通り、近年インドネシア人の受け入れが急拡大しています。インドネシア政府の方針を踏まえると、今後、インドネシア人の労働者は更に拡大するものと思われます。
4.フィリピン
(1) フィリピン人労働者の特長
フィリピン人労働者は英語が堪能で、コミュニケーション能力が高いのが特長です。海外勤務経験が豊富な人も多く、多文化環境への適応力があります。また、サービス業や介護、医療、IT分野に強みを持ち、接客や看護スキルが高評価されています。
加えて、責任感が強く、勤勉で協調性があり、柔軟な働き方が可能です。明るくポジティブな性格で人間関係の構築が得意なため、チームワークを重視する職場で重宝されます。
(2) 国別就業先
英語圏であることから、英語を話せる特徴を生かし、アジアよりヨーロッパへの就業先が多いという特徴があります。なお、かつて日本は就業先として3位を保っていたことがあります。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「技能実習制度適正化に向けた調査研究事業報告書 概要版」参照
(3) 近年の状況
2000年代前半は、日本は第3位の就業先でしたが、興行ビザを悪用したケースが目立ち、それらを規制したため、日本の就業先の割合は一気に減少しました。
今でこそ、労働力不足の現状からフィリピン人へのアプローチを行っておりますが、時機を逃してしまったことや英語を話せる強みから、わざわざ日本を就業先としたいフィリピン人は少ない状況です。
5.まとめ
東南アジアからの労働者に対する需要は日本だけでなく、世界各国で高まっています。
特にアメリカ、オーストラリア、サウジアラビア、タイ、シンガポールなどが積極的に採用を行っており、日本の労働市場においても競争が激化しています。
今後も各国との人材獲得競争が続く中で、日本はより良い労働環境の提供と、東南アジアからの人材が安心して働ける制度整備が急務です。

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