受入れ企業の経営者から「技能実習生への社会保険加入や税金支払いはどうしたら良いのか」と良くご質問を受けることがあります。
基本的には日本人と同じように社会保険に加入して税金も納めますと説明するのですが、技能実習生へのフォローも忘れてはいけません。
もちろん、入国時の講習でも丁寧に扱いますし、監理団体によるフォローもあるのですが、丁寧に不安を解消しなければ、予期せぬトラブルに発展する可能性があります。
そこで、本記事では、技能実習生が日本で負担する社会保険料や税金についての説明方法、実習生が抱える課題、そして企業やサポート機関が取るべき対応について解説します。
1.技能実習生の社会保険料と税金
日本では、労働者は社会保険(健康保険や厚生年金)や税金(所得税や住民税)の負担が義務付けられています。技能実習生も例外ではなく、日本人と同様にこれらの負担が発生します。
なお、技能実習生が実習期間を終えて母国へ帰国した後に、社会保険から脱退することによる一時金が支給されます。帰国後の手続きになるので、その点の説明やフォローも必要です。
2.社会保険料や税金の説明方法
技能実習生が日本に入国した際、講習施設にて社会保険や税金についての説明を受けます。
しかし、それでも理解が追いつかない場合があり、企業側も丁寧な説明が求められます。以下のような説明が効果的とされています。
(1) 「日本人も外国人も同じ」と伝える
技能実習生には、日本人も同様に負担していることを伝えることで、平等な扱いであることを理解してもらいます。
(2) 病気やケガのときに助けてもらえる仕組みと説明する
社会保険料は病気やけがをしたときにカバーされるという説明を加えると、保険の意義を納得しやすくなります。
(3) 現地と異なる制度と理解してもらう
母国との違いを丁寧に説明し、日本特有の制度であることを強調することも大切です。
3.よくあるトラブル事例
社会保険と税金に関するトラブル事例として、以下があります。

(1) 給与の天引き
技能実習生の中には、給与から社会保険料や税金が天引きされることに驚く人もいます。特に、本国で給与からの控除がない場合や、税金の徴収が異なる方法で行われている場合、実際に給与が減額されることに戸惑うケースがあります。
そのため、給与明細にどのように反映されるか、また納付が本人の生活にどう影響するのかをしっかりと説明する必要があります。
(2) 住民税の後追い徴収
住民税は2年目から給与から引かれます。そのため、実際にそのタイミングになるまで理解しづらいといった問題があります。
一度説明したからと言って安心せず、都度説明をして丁寧に対応する必要があります。
(3) 健康保険の利用方法が分からない
医療機関を受診する際に、健康保険証を提示せずに受診してしまい、高額な医療費を請求されてしまうケースがあります。
あとで手続きを行えば還付されること、そもそもそのような事態にならないようにフォローすることが大切です。
(4) 年金の支払い拒否
技能実習生が脱退一時金制度を知らず、厚生年金の天引きに不満を抱くケースがあります。丁寧に説明し、誤解を解消する必要があります。
(5) 郵便物を確認しないことによるトラブル
日本では税金や保険料に関する通知が郵便で送られることがあり、実習生がこれを見逃してしまうことがあります。普段から郵便物を細かく確認しようとする技能実習生は少ないためです。
そうすると、郵便できた支払通知書などに気が付かず、放置してしまうというリスクが生じます。そうならないように、天引きにして未払いリスクを避けるなど受入企業側がしっかりとフォローできる体制をつくることを推奨しています。
4.対応方法
実際に保険料や税金の支払い通知書が届いたとき、技能実習生が驚いたり「払いたくない」と感じたりすることも少なくありません。このような場合、企業や監理団体がどのように対応するかが鍵となります。
(1) 継続的なフォローアップ
税金や保険料に関する疑問が生じた際、寮での直接説明や電話、チャットなどでの相談対応を行い、実習生が不安を感じないようにしています。納得できていない様子が見られた場合には、時間をかけて丁寧に説明することが大切です。
(2) 通訳を交えた説明
技能実習生の母国語での理解を助けるため、通訳を交えて直接説明することが重要です。ただし、通訳者が不適切な表現や誤解を生む説明をする可能性もあるため、信頼関係のある通訳者を選び、企業が一緒に説明に同席する必要があります。
(3) 事前の信頼関係の構築
実習生と信頼関係を築くことで、税金や保険料についての説明がよりスムーズに進みます。特に初対面の通訳者任せにするのではなく、受入企業側も積極的にコミュニケーションをとる姿勢が重要です。
(4) 脱退一時金についての説明
日本で支払った年金の一部が帰国時に返金される「脱退一時金」の制度についても説明することで、年金支払いに対する抵抗感を和らげることができます。
5.まとめ
技能実習生にとって、日本での社会保険料や税金の負担は予想外の出費であり、負担を感じることが少なくありません。
受入企業や監理団体組合が適切な説明とフォローを行うことで、実習生の理解を深め、不安を軽減することが可能です。社会保険や税金については、日本人と同様の義務があると伝えることに加え、病気や将来に備えるための制度であることを丁寧に説明することで、実習生が安心して働ける環境を整えることが求められています。
また、キャリアパスについての情報提供や将来のビジョンを描けるような支援を行うことで、技能実習生が日本での経験を母国でも活かせるよう、総合的なサポート体制を構築することが大切です。

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